教授メッセージ

教授メッセージ

患者さんとそのご家族を様々な分野の専門家が支えます。

からだはこころの入れ物です。わたしたちが病いにかかったときに,つらさを感じるのは体だけではありません,こころもつらさを感じます。また,こころがつらさをかんじていれば,その入れ物であるからだも健やかではいられません。従来の医学はからだあるいは病気を治療するというということに力点を注いできました。しかしながら,医療の目的がわたしたちの「幸せ」であるとするならば,からだもこころも同時に治療すること(全人的ケア)が必要であります。緩和支持医療は診断の時から全人的ケアを行う医療です。
岡山大学では様々な研究に基づいた全国的にも有名な最先端の医療を皆様に提供しています。これによって多くの方が救われています。しかし岡山大学の提供する医療は,単に病気をなおすことのみにとどまるのではなく,病いをもつ患者さんと家族の様々なつらさも同時に治療し,生活の質を向上させることを目的としています。緩和支持医療科ではがんや様々な病気の治療にあたる専門家のみならず,精神腫瘍科、麻酔蘇生科、放射線科、形成外科、耳鼻科、歯科等々の専門医師や,看護師,薬剤師,ソーシャルワーカー,臨床心理士,リハビリ,栄養士、歯科衛生士など多くの分野の専門家が協力して患者さんと家族のための診療を 行っています。緩和支持医療科は緩和チームを形成して,つらさの治療を行うとともに,患者・家族・主治医と適切な専門家 のあいだを取り持つことで円滑で適切な医療を提供する環境を整えます。
病気にともなうからだの痛み,だるさ,しびれ,経済的なこと,仕事のこと,家族のこと,療養場所のことなど様々なつらさや心配をかかえて病気の治療を行うことはたいへんつらいことです。それらを解決して前向きな治療ができ,自分らしい生活ができるようにすることが緩和支持医療科の目的です。最先端の医療と緩和医療は併行して行うことでわたしたちはもっともっとしあわせになることができます。

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岡山大学大学院 ヘルスシステム総合科学研究科 岡山大学病院 緩和支持医療科 元特任教授

松岡順治

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